【完】恋愛モノポリスト
公園へと入って行くと、幾つかベンチがあって、私はその一つ目掛けて歩いて行った。
カサカサと渇いた落ち葉の、靴先に当たる音が少し心地良い。
『瑶…』
そこで、りょーたの声が聞こえたような気がして、キョロキョロと周りを伺った。
___あれ?あそこにいるの、りょーただ…。
無意識に近寄ってしまってた
その腕の中に彼女がいるとは知らずに。
「っ!?」
そこには、彼女の肩に手をやって、少し困ったみたいな顔をして彼女を抱き締めるりょーたと…。
顔は見えないけど、ぎゅっとりょーたの胸元にしがみ付いている彼女の姿。