【完】恋愛モノポリスト
「沢木、ちょっと」
「なんすか」
「はは。そう警戒すんなって。柴谷さんの件。もう耳に入ってるよな?」
「…まぁ」
「俺、ちゃんと付き合ってる子がいるって断ったから。彼女もちゃんと納得してくれたから…あとは、沢木、お前の出番だよ」
「…俺にどうしろと?」
「生かすも殺すも、お前次第って事。じゃあな」
不可解な事を言うだけ言って、キュッとバスケシューズを鳴らして去っていく先パイの後ろ姿を暫く眺めて、俺はハッとしてななにメールをした。
__なな?どうしても話したいことがあるんだ。今から逢える?
そのメールには、なかなか返信が来ない。
もしかして、一人で泣いてるの?
俺じゃ、力になれないの?