【完】恋愛モノポリスト

ぼろぼろ泣いてるななの涙の理由が、分からなくてつい口調がキツくなってしまった。
ななは、そんな俺に驚いたように瞳を見開いて暫く見つめる。
だけど、それでも涙は止め処なく流れていって、…俺は気付いたらななを抱き締めていた。

「っ!放して!」

「放さないよ」

「なんでよ!」

「だって、ななが泣いてるのに…放っておけない…」

「バカ。あほ。最低。チャラ男が…」

「うん」

「他の人と付き合った癖に…私の事置いて行った癖に…どうでもいい癖に…っ」

「そんな事ないよ。ななが、好きだ。その気持ちにウソはないよ。今までもこれからも…」

「信じらんない。バカじゃないの?やめてよ、もう」

「やめらんないよ、好きなんだから」


ぎゅうっと、暴れる体を強く抱き締めて、俺は思い切り気持ちの高鳴りを伝えた。


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