【完】恋愛モノポリスト
ぱしんっ
「なな…?」
「……大嫌いっ」
「ななっ」
ななは、俺の手を振り払い、公園を駆け出して行った。
俺はすぐに後を追おうとして、それが出来ずに…血の味のする口唇を手で拭う。
「ほんと、最低だな…俺…あんなに泣かして、何やってんだ…」
呟きはどこにも注げず、固まって地面へと転がった。
心の中で何度も何度もリピートしてきた好きだという想い。
それを、今、自分で壊してしまった。
「…っ…なな…っ」
俺は、そのままうずくまって、声を殺して泣いた。
そんなことをしても、もう、この距離は取り戻せないのに。
ななに、振り向いてもらう可能性も、淡い期待も全て失ったというのに…。