【完】恋愛モノポリスト
逢いたいと、思う。
でも、絶対に心配だけは掛けたくない。
…同情なんかされたくなかった。
だって、ななの事だから…そういうのにとことん弱くて。
きっと、こんな境遇になった俺を見たら、こんな俺が好きだと言ったら…自分の気持ちをないがしろにしてでも、俺に合わせてしまうから。
…いつもつれなくて、ドSな癖に。
人一倍泣き虫で寂しがりな甘えん坊。
ずっと一緒に育ってきたから、分かることも多いけど。
結局、ななの心に留まる事は出来ないと知った…。
なな、何回心でそう名前を呼んだだろう。
好きだよと、何万回心の中で叫んだだろう。
いくつもの想いを飲み込んで。
どんどん渇いていく感情。
まるで石にでもなっていく気分だ…。