【完】恋愛モノポリスト
いつもいつも、一緒で片時も離れた事がなかった私達。
でも一度だけ、小学生の時に転校生が二人入った為にクラスが分かれることになって…私は初めてりょーたと離れた。
その時、毎日のように寂しいと泣いていた私の手を握って、登下校してくれたりょーた。
『寂しくないよ?ぼくがついてるよ?』
と、休み時間ごとに逢いに来てくれたりょーた。
誰もがみんなりょーたの事をからかったけれど、そんな事お構いなしに、
『ななが寂しくなるとぼくもさびしくなるから』
と言っていつも笑っていてくれたりょーた。
それだけじゃない。
りょーたの学力だったら、もっと上の進学校に通えただろうし、バレーの強豪校にだって入れただろう。
なのに、りょーたはそれをしなかった。