【完】恋愛モノポリスト
どうして、こんな事になってしまったの?
私の変なプライドのせい?
私は思い知る。
りょーたは私の大切な存在なんだって事。
それが、ただの幼馴染だからじゃないんだって事。
…抱き締められた腕が、奪われたキスが、りょーたの別の部分を私に刻み込んで、侵食して…泣きたいくらい切なくて…。
あの時零した涙の理由。
それは。
困惑でもあったけれど…きっと心が震える程の、歓喜。
ぼろり。
次から次へと溢れていく涙。
愛しさを知った瞬間に、それ以上の悲しみや切なさを感じるなんて、本当にバカみたいだ。
「りょーた、ごめ…っ」
私は、その日、夜が明けてもずっとりょーたの家を眺めながら泣いた…。