私と君と。
校舎に着いたら、掲示板に群がる人だかりが。
クラスが貼り出されているみたい。
私も覗き込む。1組から流すように見ていく。
ない、ない、ない、…あった。
私の名前は4組の所に書いてあった。
「キャー!私のクラス、あの柊優君がいるー!」
「えー!ずるい!私も4組がよかったー!」
突然、そんな声が聞こえた。煩い。
私は気にもせず、4組へと歩いていった。
教室に入っては、自分の席に座る。
一番後ろの窓側だった。
すると、すぐに声を掛けられた。
「初めまして!私、東雲陽菜(しののめはるな)って言うの!貴女は?」
ショートカットで、活発そうな女の子。
顔はそこそこ可愛い。
「私は佐々木夕。よろしくね、陽菜ちゃん」
「陽菜ちゃん、なんて気持ち悪いから陽菜って呼んで!私も夕って呼んでいい?」
「うん、いいよ。仲良くしてね」
にこりと微笑む。すると、にこりと微笑み返してくれた。
「そーいえば夕って可愛いよね。いきなり皆から騒がれてるよ?学年1可愛いって!」
「へー……」
私は素っ気なく返した。だって興味無いからね。
「何その素っ気ない反応!嬉しくないの?」
「うん。騒がれても面倒くさいだけだし、興味無いからさ」
「夕ってばかっこいい!私もそんな風に言ってみたーい!」
キャッキャッ、と騒ぐ陽菜。何がそんなに楽しいんだろうか。
そう思ってると、
「キャーーー!!!!」
何て女子のたっかーい声がクラス内で響いた。
もう頭が痛いのなんの。
「……どっからこんな声が出んだろ。何事?」
「あ、柊優君が来たんじゃない?」
「シュウ、くん?」
頭の上に?を浮かべる私。
「えっ!?知らないの!?かっこいいって入学前から騒がれてる月野柊優(つきのしゅう)君の事だよ!」
「ふーん……」
私は興味無いと言う風に、窓の外を見る。
「あらら…またまた興味無し?」
「無いよ。イケメンだからって何?って話」
「まぁ、私もあそこまで騒ぐのはどうかと思うけどね」