すれ違った鍵の音……
打ち合わせが終わり、一息つきたくて自動販売機のコーナーへと向かった。
自動販売機に小銭を入れようと手を伸ばすと、頭の上から伸びて来た手に先を越された。
振り向いて見上げると、コーヒーのボタンを押す課長の姿があった。
「ええっ―― 順番抜かさないで下さいよ!」
私は声を上げてしまった。
「これ、お前の分。奢ってやる」
「本当に? いいんですかぁ」
取り出し口から缶コーヒーを出しと、思わず笑みが漏れてしまう。
課長は、チラッと私の方を見てニヤリと笑った。
「本当に、お前の観察力は凄いな……」
「えっ?」
「みんなの特徴良く見ているよ」
「分かります? 飯沼主任の冗談だか本気だか?」
「そうだな…… それだけじゃなくて、よく、チームのメンバーの必要としそうな資料やデーターを揃えているなって思ってさ……」
「そうですか? それが、私の仕事ですから……」
私は、課長の顔に目を向け、ニコッとほほ笑むと、コーヒーを飲み干した。
「ごちそうさまでした」
ペコリと頭を下げ、オフィスへと向かった。
もう一度振り向くと、ポケットに手を入れ窓際に立つ課長の姿を、又、一瞬見つめてしまった……
自動販売機に小銭を入れようと手を伸ばすと、頭の上から伸びて来た手に先を越された。
振り向いて見上げると、コーヒーのボタンを押す課長の姿があった。
「ええっ―― 順番抜かさないで下さいよ!」
私は声を上げてしまった。
「これ、お前の分。奢ってやる」
「本当に? いいんですかぁ」
取り出し口から缶コーヒーを出しと、思わず笑みが漏れてしまう。
課長は、チラッと私の方を見てニヤリと笑った。
「本当に、お前の観察力は凄いな……」
「えっ?」
「みんなの特徴良く見ているよ」
「分かります? 飯沼主任の冗談だか本気だか?」
「そうだな…… それだけじゃなくて、よく、チームのメンバーの必要としそうな資料やデーターを揃えているなって思ってさ……」
「そうですか? それが、私の仕事ですから……」
私は、課長の顔に目を向け、ニコッとほほ笑むと、コーヒーを飲み干した。
「ごちそうさまでした」
ペコリと頭を下げ、オフィスへと向かった。
もう一度振り向くと、ポケットに手を入れ窓際に立つ課長の姿を、又、一瞬見つめてしまった……