副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
第五話 嵐と雨と私の想い
副社長と一緒に暮らし始めて、一ヶ月が経った。
相変わらず家では彼にからかわれて、かと思えば甘い言葉を囁かれて、未だに彼に与えられる熱に慣れることなんて出来ていない。
けれど、仕事には少し慣れてきた。
まだまだだけれど、スケジュール管理や毎日の雑務。顧客に合わせたおもてなしも大体身に付いてきたと思う。
そしてなにより秘書という彼を支えるこの仕事にも、やりがいを感じ始めてきたところだ。
これに目を通しもらったら、今日は珍しく午後になんの予定もないんだよね。
「望月さん」
ふっと息をつきながら副社長に頼まれた資料を持って足早に廊下を歩いていると、突然後ろから肩を叩かれた。
驚いて跳ね上がると、私は仕事を早める鼓動を落ち着かせながら徐に振り返る。
するとそこには、歯を見せて笑う――三浦さんが立っていた。
「……ご無沙汰しております」
一瞬目を丸めるけれど、すぐに冷静を装って頭を下げる。
この人、副社長と親しいんだよね? 引越しの日に会って以来だけれど、彼になにか聞いてたりするのかな?
思わず仕事用の笑顔を浮かべながらも、警戒心から一歩後ろへと下がった。
すると彼は、一気にその距離を詰めてくる。
相変わらず家では彼にからかわれて、かと思えば甘い言葉を囁かれて、未だに彼に与えられる熱に慣れることなんて出来ていない。
けれど、仕事には少し慣れてきた。
まだまだだけれど、スケジュール管理や毎日の雑務。顧客に合わせたおもてなしも大体身に付いてきたと思う。
そしてなにより秘書という彼を支えるこの仕事にも、やりがいを感じ始めてきたところだ。
これに目を通しもらったら、今日は珍しく午後になんの予定もないんだよね。
「望月さん」
ふっと息をつきながら副社長に頼まれた資料を持って足早に廊下を歩いていると、突然後ろから肩を叩かれた。
驚いて跳ね上がると、私は仕事を早める鼓動を落ち着かせながら徐に振り返る。
するとそこには、歯を見せて笑う――三浦さんが立っていた。
「……ご無沙汰しております」
一瞬目を丸めるけれど、すぐに冷静を装って頭を下げる。
この人、副社長と親しいんだよね? 引越しの日に会って以来だけれど、彼になにか聞いてたりするのかな?
思わず仕事用の笑顔を浮かべながらも、警戒心から一歩後ろへと下がった。
すると彼は、一気にその距離を詰めてくる。