副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
「それに君には、君の良いところがたくさんあるんじゃないかな?」
小さく笑みを零す彼は、頭に置いていた手をさらりと頬に滑らせた。
思わず睫毛を揺らすと、彼は心地良さそうに笑みを深くする。
「君を見ていると、本当にそう思う。これでも人を見る目だけは、結構自信あるんだ」
彼は、まるで魔法をかけるかのように囁いた。
不思議だ。なにも根拠は無いのに、彼の言葉はなぜか私の心を軽くする。
優しく頬を撫でた彼の手が、胸の中の罪悪感をも連れて行ってしまった。
「ありがとう、ございます」
頬に上る熱を悟られなかっただろうか。
小さく呟いた声を聞いた彼は、「どういたしまして」と微笑んだ後、綺麗に姿勢を正して前へと視線を戻した。
仕事を早める鼓動を落ち着かせようと、私は彼に気付かれぬようにそっと胸に手を置く。
それから寮に着くまでの間、私も、彼も、口を開く事は無かった。
小さく笑みを零す彼は、頭に置いていた手をさらりと頬に滑らせた。
思わず睫毛を揺らすと、彼は心地良さそうに笑みを深くする。
「君を見ていると、本当にそう思う。これでも人を見る目だけは、結構自信あるんだ」
彼は、まるで魔法をかけるかのように囁いた。
不思議だ。なにも根拠は無いのに、彼の言葉はなぜか私の心を軽くする。
優しく頬を撫でた彼の手が、胸の中の罪悪感をも連れて行ってしまった。
「ありがとう、ございます」
頬に上る熱を悟られなかっただろうか。
小さく呟いた声を聞いた彼は、「どういたしまして」と微笑んだ後、綺麗に姿勢を正して前へと視線を戻した。
仕事を早める鼓動を落ち着かせようと、私は彼に気付かれぬようにそっと胸に手を置く。
それから寮に着くまでの間、私も、彼も、口を開く事は無かった。