副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
「田代社長は本音しか言わない人だ。だから今日あの人が明日奈を見て言ったことに、なにひとつ嘘はないよ。だから君は、もっと自分に自信を持っていい。――それに君は、私が選んだ人だろ?」
薄笑みを浮かべた彼は、唇をへの字に曲げた私の頬に手を寄せる。その手を顎先まで滑らせた彼は、慈しむように目尻を下げた。
カッと全身の血液が沸騰したように熱くなり、急激に早鐘を打つ鼓動が私の思考を鈍らせていく。
わかってはいたけれど、上手くごまかされてしまった……。
「田代社長が気難しい人なのは本当だよ」
そう言うと彼は、私の頭をそっと抱き寄せる。
しかしそのまま私の頭が彼の胸に抱きとめられることはなくて、視界が回転すると、目の前には優しく微笑む彼の顔が現れた。
頭の下にある温かな感触に、すぐに状況を理解した私は池の中の鯉のように口をパクパクさせる。
こ、これって……ひざまくら!?
「ふ、副社長!」
声にならない声を上げると、爆発しそうなほど熱くなる顔を勢い良く両手で覆った。
薄笑みを浮かべた彼は、唇をへの字に曲げた私の頬に手を寄せる。その手を顎先まで滑らせた彼は、慈しむように目尻を下げた。
カッと全身の血液が沸騰したように熱くなり、急激に早鐘を打つ鼓動が私の思考を鈍らせていく。
わかってはいたけれど、上手くごまかされてしまった……。
「田代社長が気難しい人なのは本当だよ」
そう言うと彼は、私の頭をそっと抱き寄せる。
しかしそのまま私の頭が彼の胸に抱きとめられることはなくて、視界が回転すると、目の前には優しく微笑む彼の顔が現れた。
頭の下にある温かな感触に、すぐに状況を理解した私は池の中の鯉のように口をパクパクさせる。
こ、これって……ひざまくら!?
「ふ、副社長!」
声にならない声を上げると、爆発しそうなほど熱くなる顔を勢い良く両手で覆った。