口づけを、もう一度。
夏休みに入ってから一週間くらい立ってからのことである。

私は、楓に、あのいつもの図書館へ呼び出された。

 「ねえ、どうしたの、楓? 」

「えと、二日後に、夏祭りがあるんだけど、

一緒に行かない? 」

なんということだ!なんか、その、こういう

恋人めいたことすんのってさ、

告白とか、そういう段階を踏んでからするも

んじゃない?普通は……。

でも、楓はそういうこと全く気にしないのね。

うん、大丈夫だよ、大丈夫。手間が一個省け

たってことよ!

「いいよ!行こうよ。」

「じゃあ、その日の8時に、会場の城跡公園に

集合で良い?」

「OK。わかったよ」

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