病院は苦手なんです!


目を開ければ、手のひらには1つの鍵がおいてあった

「これなんの鍵?」

「家の鍵……。これ、なかったら家に来れないだろ?」

「確かに……」

何度か行こうと思ったけど、「夏樹、今日仕事だったどうしよう」って頭に過って諦める事が多かった

この鍵があればいつでも行ける…!

「ありがとう夏樹!」

今日1番の笑顔を見せると夏樹の顔が赤くなった

「ひなにさ……聞きたい事って言うか……お願いがあるんだけど……」

夏樹らしくない言葉

「なぁに??」

「……ひなが高校卒業後、一緒に住まないか?」

願ってもない言葉だった

「いい……の?」

「あぁ。もちろん、ひなのお母さんやお父さんからお許しが出たらの事だけど……」

「私、夏樹と暮らしたい!もし、お母さん達がダメって言っても絶対住む!!」

「フフ……良かった」
安心したように笑う夏樹

「断ると、思ってた?」

「正直、少し思ってた。でも、結果オーライ!」

今度は夏樹の飛びっきりの笑顔で私の顔が暑くなったのがわかる

『おーーー!!!!』と大きな声がグランドから聞こえる

「ひな、見ろよハート!」
夏樹が指さす方向に、ピンク・赤など暖色系ハートの形をした花火が上がっていた…


「うん、すごく綺麗だね!」

外からは、拍手する音も聞こえてきた

一瞬で散ってしまったけど、恋人の間で噂になっていたハートの花火が見れて良かった

これで、私と夏樹も結ばれたかな?

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