となりの席
1章

芽衣side

春休みになったのに、体調を崩してしまった。


四月になっても回復しなくて、短期入院になってしまった。


始業式までに退院出来るかな……


そんなことを考えながら、春休みの課題のノートを必死に埋めていた。


ノックと同時に懐かしい声がした。


「えへへ、来ちゃった」


「あ、紗彩〜!遠くまでわざわざ…」


「えへ、いいのいいの、芽衣ともう3週間も会ってないし芽衣不足なの〜!それより、大丈夫?」


「うん、なんとか収まってる……」


私は生まれつきの重い、重い心臓病。


最近ずっと調子が良くて、二月から1度も欠席していなかったのに…


「あんまり体調良くなさそうね、早く治してよねっ」


「がんばるね…」


「ねねね!それよりさ!聞いて聞いて!!」


「ちょっと紗彩うるさいよー、外で聞こうか?」


「そうして!ほんと、静かに聞けないことだから!」


看護師さんを呼んで、外出許可を貰ったけど、車イス乗れという条件付き…


紗彩に押してもらって、庭まで行った。


「それでなに?話って」


「ねぇ期待してないでしょそれ!」


「えへ、ばれた?」


「まあいいや、とにかく聞いて!うちに転校生来るんだってさ!男の子!」


「え、転校生!?」
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