となりの席
「その太鼓って今も叩いてるの?」
「今はね……」
「芽衣の兄ちゃんが留学したのと、芽衣の調子が悪くなって、何年か前に無くなった。最低三人は叩かんと成り立たんから、二人じゃ無理だねって話……それ以降もう話はドボンなんだって……」
「そうなんだ……」
「あ、奏汰、次だぞ?」
「貴之くん奏汰君と同じ駅なんだ?」
「そうそう!俺と奏汰の家めっちゃ近いんだよ!ホンットびっくりするよね」
「そうだね……」
「ならお先に、芽衣」
奏汰君は手を振って、バスを降りていった。
そして、次の駅で私も降りた。
「芽衣、学校から連絡あったけど、大丈夫だった?」
「ちょっと……不整脈出たみたい…もう大丈夫だから心配しなくていいよ」
「酸素、なくて大丈夫?」
「うん…なんとか……」
「なら、ご飯食べてお風呂入ってもう早めに今日は寝なさいね」
「うん」
ご飯を食べて、シャワーを浴びて、早めにベッドに向かった。
薬の袋から、夜の分を出して飲む。
こないだの入院の前よりずっと増えた気がした……
だんだん……弱ってきてるんだな…
そのまま、すぐに寝れた。