となりの席
奏汰君が降りる時、


「奏汰君、ありがとう。また明日…」


「あ…また明日!今日はごめんね…」


笑顔で言って、そのままバスを降りていった。


奏汰君の笑顔はほんとに素敵。


バスの窓から眺めてると、ふと後ろを振り返った奏汰君と目が合った。


手を上げて、また明日って言うような仕草をした。


家に帰ると、誰もいなかった。


まだ仕事なのか……


自分の部屋に行って、ベッドに寝転んだ。


「俺さ……芽衣ちゃんに一目惚れしちゃった……」


奏汰君のその一言が頭の中で何回もリピートされてる。


私も……一目惚れしちゃった…


けど……けど…


私には邪魔するものがある。


毎日何錠ものクスリを与えないと暴れるヤツ。


離れてほしいのに離れられないヤツ。


あぁっ、痛い……


いつもの痛みじゃなくて、


なんか変な痛み。


ふと奏汰君の顔が浮かんでソレは痛くなる。


これってなんだろ、なんだろう……
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