となりの席
「芽衣ちゃん……芽衣ちゃんどう?もうすぐ8時半だけど…気分はどう?」
「あ……先生…だいぶましかな…」
一時間ほど寝てたみたいで、スッキリした。
「まだ不安定だと思うし、体調少しでも悪くなったら絶対無理しちゃだめだからね?」
「はい、分かりました!」
保健室を出て、廊下をまっすぐ行くと、二年の教室に入った。
「あ、芽衣復活!?わーい愛してる!!」
「紗彩ー!」
紗彩とあれから会えてなくて、本当に嬉しかった。
「あ、芽衣ちゃん体調大丈夫ー?」
「あ、芽衣さん帰ってきたのね」
クラスの子も、お出迎えしてくれて嬉しかった。
私の病気の事は、紗彩と貴之君と先生以外誰も知らない。
私と死がそう遠くないことを他の子は知らない。
いつか、このクラスから1人いなくなる日が来る可能性があることを知ってる人はいない。
「芽衣?大丈夫?」
「あ、うん平気!」
キーンコーンカーンコーン
先生が入ってきてみんな座る。
今日の一日の始まり。
「あ、竹野さんだっけ?」
「あ、うんそうだよ」
左を見ると、知らない人が座ってた。