となりの席
「この四月から転校してきた松野奏汰です。よろしくね。」


「私は竹野芽衣。よろしくね、松野君」


松野奏汰と名乗る人はすごく整った顔をして、太陽に照らされてすごく輝いていた。


鼻筋が通ってて、肌が白い。


ふと松野君の顔を見ると、目が合って思わずそらしてしまった。


キーンコーンカーンコーン


あ、授業が始まる……


軽くお辞儀をして、前を向いた。



三時間目の授業中、久しぶりにずっと座ってて疲れたのか、気分が悪くなった。


うつむいて、胸に手を当てると、不規則な脈が強く打ち付けられていた。


「うわー、寝てたわ」


右隣の紗彩が呟いてたけど、聞こえないふりをしてた。


「芽衣、大丈夫?」


「うん……」


頷いて、下を向いた。


今日ぐらい耐えてよ……私の…心臓……。


「ちょっと休んだらー?先生呼ぼうか?」


「そうする……お願い…」


無理しすぎたら、逆にまた病院に戻されちゃうし…仕方がない…。


「先生ー、芽衣体調悪いみたいだから保健室いくみたいでーす。」


「佐藤ありがと、竹野大丈夫か?一人で行けそう?」


「あ、先生連れていきまーす」


「なら佐藤、よろしく」
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