君のネコになりたい
「あのときもさっきも…」



里菜がブツブツと話し出す。



「ん?」


「夏井くん…優希が他の子にチヤホヤされてるのが悪い」


「え?」



なにそれ。
ただのヤキモチにしか聞こえないんだけど。



「ごめんなさい」



里菜が俺にペコッと頭を下げて屋上から去ろうとする。



「待って」


「なに…」


「俺のこと好きってことじゃねぇの?」



〝嫌い嫌いも好きのうち〟ってやつにしか感じねぇ。



「こんなこと言うの照れ臭いけど俺はずっとお前が好きだよ」


「え?」



里菜の顔がみるみるうちに赤くなっていく。



「お前、あれか。猫系女子か」


さっき犬系猫系ってみたとき、嫉妬すると意地悪をするって書いてた。


〝嫌い〟って言ったのは意地悪だろ。



「そんなの、わかんない」


こいつたぶんツンデレだ。

本当は面倒なことが嫌いな俺がこいつのために面倒なことをしてたんだ。
意味なかったけど。

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