天使と悪魔の子
1節 “眩”
ーキーンコーンカーンコーン
新学期
始業のベルが鳴り響く
市川先生(担任)のジャージは汗により変色し、生徒達の気だるそうな声が教室いっぱいに上がる。
「おいお前達!元気そうだなぁ、お、東堂も逢沢もなんだか清々しいなぁ。」
うんうんと頷きながら先生は頷きがはがはと笑った。
私の髪色の変化に興味や嫉妬、様々な視線が向けられる。
でもなんとも思わなかった。
「じゃあ席替えでもしとくか!」
くじはぐちゃぐちゃになって捨てられるのがオチだろうと先生は適当に今朝やったあみだくじを取り出し黒板に番号と名前を書いていく。
「一番佐藤………」
先生はじゅんじゅんに名を読上げていく。
宙と架とはしばらくわかれてしまうかもしれない。
そう思うと残念だった。
『……ん?』
「クスッ」
宙が静かに笑った。
黒板には窓側の一番奥の席に日和、その横が架。
日和の前が私、私の隣が宙と見事に並んでいる。
『……宙何かしたの?』
「なんのこと?」
宙が今度は楽しそうに笑う。
確信犯か
その事を知った女子達の厳しい視線が向けられる。
「やったな美影!宙!」
架はそんなことも知らずに笑い飛ばした。
新学期早々荒れそうだ。