天使と悪魔の子
漆黒の羽と純白の羽
血色と空色のオッドアイ
『だ、れ?』
やっと出た声に彼は笑った。
「宙だよ。」
気付けば私は屋上に座っていて、前には元の宙がいる。
「さっきの続きだけどさ」
『え?』
「美影は、綺麗だよ。」
は…?
思わぬ応えに思わず心の声が出そうになる。
「美影はだれよりも純粋で繊細なんだ。
自分のことを卑下するのも、悪い癖。」
『会ったばかりなのに…なんでそんなことわかるの。』
「わかるよ。だって美影の瞳、凄く真っ直ぐで綺麗だから。」
そんなこと、初めて言われた。
でも…私は汚い。
彼にはそれがわかるはずないんだ。
『…じゃあ、私からも質問させてよ。
さっきのは何?』
「さっきのって?」
『とぼけないでよ。さっき、異色の翼を背中から出して私を助けたじゃない。』
「…きっと、見間違いだよ。
疲れてるんじゃないかな?」
あれが見間違い?
そんな訳ない。
『……“一条くん”が話すきないならいいよ。
私はもう聞かないから。
だから、もう話しかけないで。』
お弁当箱を掴んで宙の横をさっと通り抜け屋上の扉を開けた。
『じゃあね、一条くん。』
ーバタン
屋上の扉を閉じて階段を降りる。
久しく感情的になった。
まだ重いお弁当箱をぶらぶらしながら教室へ戻る。
『彼は私とは違う。』
心の中で一線を彼との間に引いて自分を守った。
とことん私は汚い人間なのだ。
血色と空色のオッドアイ
『だ、れ?』
やっと出た声に彼は笑った。
「宙だよ。」
気付けば私は屋上に座っていて、前には元の宙がいる。
「さっきの続きだけどさ」
『え?』
「美影は、綺麗だよ。」
は…?
思わぬ応えに思わず心の声が出そうになる。
「美影はだれよりも純粋で繊細なんだ。
自分のことを卑下するのも、悪い癖。」
『会ったばかりなのに…なんでそんなことわかるの。』
「わかるよ。だって美影の瞳、凄く真っ直ぐで綺麗だから。」
そんなこと、初めて言われた。
でも…私は汚い。
彼にはそれがわかるはずないんだ。
『…じゃあ、私からも質問させてよ。
さっきのは何?』
「さっきのって?」
『とぼけないでよ。さっき、異色の翼を背中から出して私を助けたじゃない。』
「…きっと、見間違いだよ。
疲れてるんじゃないかな?」
あれが見間違い?
そんな訳ない。
『……“一条くん”が話すきないならいいよ。
私はもう聞かないから。
だから、もう話しかけないで。』
お弁当箱を掴んで宙の横をさっと通り抜け屋上の扉を開けた。
『じゃあね、一条くん。』
ーバタン
屋上の扉を閉じて階段を降りる。
久しく感情的になった。
まだ重いお弁当箱をぶらぶらしながら教室へ戻る。
『彼は私とは違う。』
心の中で一線を彼との間に引いて自分を守った。
とことん私は汚い人間なのだ。