天使と悪魔の子
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はぁ はぁ はぁ

熱くなった息を二人で肩を並べながら吐き出した。

「もう終わりかい?」

リーフの鬼のような特訓が毎日続いている。

休みは毎日三時間

肉体的にはとっくに限界だというのに、心は穏やかだった。

「まぁいい」

子供の面を被った悪魔が俺達を見下ろして立っている。

「今日で修行は終わりにしよう。」

「……」

突っ込む気力もなく夕紀と俺はリーフを見る。

「“天の癒雨”」

流石は元大天使

彼が呪文を唱えた次の瞬間には光の雨が俺達を包み込み、肉体疲労を全て回復させてしまった。

「君達が思っている以上に、君達は強くなった。まぁまだ僕には全然及ばないけどね。」

そうだろうな

俺達と同じ条件で指導していたのに、一切疲れを見せていない。

「じゃあ行こうとしよう。」

リーフが天高く手を挙げると、そこには転送陣が出来ていた。

「“転送”」

なにも術を唱えずに、彼は俺達を転送する。

どんな魔力だ一体。

数秒光にうたれたあと、目の前には古城があった。

ここは、玲夜……いや、レリアスの本拠地。

「美影……」

ここにきっと彼女がいるはずだ。

そう信じて古城の扉に手をかけた。

ーギィイイイ

扉を開くと数々の足跡が残っている。

この城には使用人がいるはずなのだが……。

「宙!」

夕紀が叫ぶ声がしてその場に駆けた。

辿り着いたのは食間

料理が地面に落ちていて皿が割れている。

「食事中に襲撃された……?」

あまりに予定外の出来事に頭を抱える。

「……彼女を助ける方法はひとつしかないよ。」

リーフはこのことがわかっていたのか気楽に浮遊している。

「なにがあったのか知ってるんだよね。」

「まぁね」

悪びれひとつ見せず言うリーフに怒りが芽生えてきたがここは冷静になろう。

「話してくれないかな。」

リーフは考えるような仕草をしてから笑う。

「いいよ」

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