天使と悪魔の子

放課後

教室の人はだいたい部活やら帰宅やらしてほとんどいなくなった頃だった。

私もそろそろ帰ろうとバックを肩にかけると、東洞くんが話しかけてきた。

「逢沢さん」

『何か?』

ついつい尖った言い方をしてしまう。

心の中で謝りつつ相手の顔を見返した。

「さっき一条を誘って嫌そうだったから…
もし嫌なら無理しなくてもいいんだぜ?」

『ぁ…』

心配かけちゃった、のかな。

『そういうんじゃないよ!
なんでも、ないから。』

無理に笑顔を繕って教室を急ぎ足で出た。

気を遣わせちゃった。

どうしよう、折角話しかけてくれたのに。

嫌われ、ちゃったかな…

ネガティブな考えだけがポンポンとでてくる。

同時に、小さい頃の記憶も蘇った。
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