天使と悪魔の子
4節 “発”
翌日の早朝
突然目が覚めて外を散歩する。
アスタロッサも、もう私の命を消すことはない。
そんなことを考えながらぶらぶらと若草を踏みながら進む。
「アリシア様ーっ」
眩しい笑顔を振りまきながら彼は私に走りよる。
『マーシュ!おはよう』
「おはようございます!こんな朝早くに…どうかされたんですか?」
『ううん、なんでもない』
そういえば、彼は誰よりも先に味方になると言ってくれたっけ。
『マーシュは、私と一緒に戦ってくれませんか?』
「ぁ……」
彼は気まずそうに大きな睫毛を伏せる。
「ごめんなさい。ボクは希の神殿の守護者で、希の戦士はゲート内にある全てを守る役目があります。ここを出ることは出来ないのです。」
『そっか……』
残念だが彼らには彼らの義務がある。
仕方がない
「でも、もしもの時は共に戦いましょう。ボクはアリシア様のこと好きです。」
なんと心強いんだろう。
私は優しい彼に笑顔を返した。