天使と悪魔の子
『今日はエリックに創造魔法でも教えてもらおうかなぁ。』
ーキンッ
昼間のこと、翠の神殿の廊下を歩いている最中、突然頭に声が流れてきた。
それは他でもない、神の声だ。
〝闇の軍がこちらへ向かっている。
直ちにゲートをでて戦いに備えよ〟
いくらこの時に備えていても、いざとなっては勇気が出ないものだ。
知ってしまったラミアの存在を思い出すとぞっとする。
が、今は怖くない。
私は戦う術を身につけた。
「美影!!」
『宙っ』
彼が二階の通路から飛び降りて私の元へ走ってくる。
何も言わずに目を合わせ、強く抱きしめ合った。
数秒、この時間の永続を望む。
『戦わなきゃ』
「絶対に、なにがあっても美影を守る。」
私は彼の唇に人差し指を当てる。
『約束したでしょ。貴方に命を預ける代わりに、自分を犠牲にしないこと。もしそんなことしたら……』
「傷を美影が受ける、又は絶交。わかってる。」
宙は私の額にキスをして白と黒の翼を広げた。
「『自由の為の契約』」
約束だからね
彼の手を取り私も空を舞う。
終わらせよう、この戦いを。
そして元の世界に戻ってみんなでまた学校に行くんだ。
約束、したよね。