天使と悪魔の子
それから数日
私は毎晩のように魘されていた。
『うっ……くっ』
「美影様!っ起きてください」
『っはぁ……シェリー…』
目覚めるとシェリーがいて、心配そうに私にタオルを差し出した。
「これで汗をおふき下さい…美影様、最近毎晩魘されているみたいですね。
わだくし、夜中に料理の研究をしているので声が聞こえてくるのです。」
今にも泣きだしそうな彼女を慰めるように笑いかけた。
『大丈夫…このことは誰にも言わないで』
最初の晩は、ストレスでたまたま悪い夢を見たんだと思った。
でもこれだけ毎晩続いていたら、どれほど心に負荷がかかっているか実感してしまう。
それを周りに知られたらきっと心配させてしまうわ。
『みんなの前では、強くありたいの。
私だけが苦しいわけじゃない。
前の戦いで最愛の人を失った人もいるかもしれないから……。』
それに期待には応えなきゃいけない。
「わかりました……でもわだくしにはいつでも相談してくださいね!」
『うん、ありがとう』
私は汗と共に零れ落ちる涙に気付かずに、毎晩の寝不足でまた眠りにつく。
そしてまた、同じ夢を見た。