天使と悪魔の子

ーガチャン




久しぶりに帰ってきた気がする。

でもあんまり前から時間は経っていない。

ここで美影と少しの間一緒に暮らしたっけ…




ーカチャ


美影に貸していた部屋を覗く

必要最低限の服くらいしか

彼女のものはもうない

ほぼ新品の部屋だ

ふと、引出しが少し開いているのに気がついた。

手を伸ばして中を見ると、

コンパクトでシンプルな手帳のようなものが

堂々と中央に置かれ、

異質な雰囲気を醸してその存在を主張する。

罪悪感と少しの好奇心

一瞬見るだけだのはずだったのに、

その文字を追わずにはいられなかった。

そこには

俺と出会った日からの日々が綴られていた。

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