天使と悪魔の子
『あ、紹介しますね。
私のクラスメイトの…』
「一条宙です。」
宙が軽く会釈をすると、光希先輩はよくわからない表情を見せた。
「クラス…メイトなんだ。てっきり付き合ってるのかと思ったよ。お似合いだし。」
『つ、きあうなんて!宙の隣なんて不相応ですからっ。』
本当、私に宙は不釣り合いだ。
慌てて否定すると、光希先輩は笑った。
「そ?ならいいや。」
『…?』
「じゃ、宙くん。俺が逢沢ちゃんと一緒に行くから、ここで。」
光希先輩が肩に手を触れてバイト先の方へ向かう。
私はなんだか胸がぎゅっとなって振り返った。
「美影!」
『!』
「また、学校でな。」
『うんっ』
とびっきりの笑顔で言う宙に頷いた。
彼の笑顔は、安心する。
肩に少し触れる光希先輩の手がやけに冷たかったのは、寒さのせいか、それとも…。