天使と悪魔の子

悪、夢…?

はっと周りを見渡した。

明らかにこの世のものではない生物

この腕を掴む強い力

歪んだ世界

『貴方達…悪魔なの?』

「悪魔?そんな高等なものじゃない、魔界にはたくさんの生物がいるんだがな…我等はそれにはなりきれなかった。“ザヘル”という紛い物の存在だ。」

魔界には悪魔以外にも沢山の生き物がいるってこと、だよね。

その中でザヘルは低級の存在だからこうやって群れを成して人間を攫っては生き血を吸っていた。

「ケタケタケタケタ」

突然ザヘル達が笑い出した。

足がいまにも崩れそうだ。

悪夢よりもよっぽど恐ろしい。

『な、何が面白いの…』

「お前は、魔女だな!!!!!!!」

魔女…?

『何言ってるの?そんなの居るはずない』

魔女ってなに?

魔女って魔法使いみたいなものでしょ?

私がそんな凄い人なわけがない。

私はただの、そう、ただの人間!!

「いるじゃないか、ここに!」

私が、魔女?

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