天使と悪魔の子
悲しい夢の中で
白の彼が現れた。
“苦しい?”
あぁ、苦しい。
呼吸をしているはずなのにどんどん息苦しくなっていく。
“じゃあ僕がその夢、壊してあげる。”
パリンと音を立てて空間が崩れた。
悲しい夢が叫んでいるかのように唸り出す。
しばらくすると息苦しさが消えて呼吸が楽になった。
けど、なんだろう
何も感じない
悲しい夢は消えた
真っ白な無重力空間に漂う私
そして目の前の無垢な美少年
彼は嬉しそうに笑った。
“楽になった?”
楽
ちがう
何も感じない
これじゃまるで
“人形みたいだね”