天使と悪魔の子
お腹に全身の力が集中している。
空中に教室の物が浮いてくるくると私達の回りを回り出す。
今何が起きているのか。
どうしてこんなことが起きたのか。
何故目の前の彼が泣きそうな顔をしているのか。
『わからない』
楽しいも
嬉しいも
悲しいも
怖いも
全部が複雑に混ざりあって
一つの感情ができる
『そんな素晴らしい宝物を授かっているのに、人間はそれ以上を求めて争って…深い傷を刻まれる。それなら』
「それなら、感情を消してもう二度と傷つかないようにしよう、とでもいうつもり?
俺がそうはさせない。」
だんだんと近づいてくる彼。
来ないで
『来ないで!』
私の言葉で教室の椅子やチョークが彼に向かって飛びかかった。
嘘…
こんなの知らない
なんで…
私が魔女だから?