天使と悪魔の子
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『んっ』
ーミャア
目を開けるとそこは私の部屋だった。
あの後、気絶してしまったのか…
「美影」
『エル…ごめんね、待たせちゃって。』
「待つことには慣れてるから。」
エルは人の姿となって私の頬を包んだ。
「…奴らになにかされた?」
『奴らって……ううん、何もされてない。』
寧ろ何かをしたのは私の方だ。
今まで感情的になってもあんなに周りのものが浮いたりするなんてことは無かった。
まだ元気だった幼い時も、そんなことは一度もなかった。
もし私が魔女なら…母は魔女だったのだろうか。
父や父方の祖母は全くそのようなことは感じなかった。
血の繋がりがあるとすればきっと、母の方の血だろう。
あまりにも母との記憶が無いせいか全く思い当たる節がない。
……母方の祖母は?
そうだ、私には“あの人”がいる。
思い出そうとすると頭に鈍い痛みが走った。
まるでなにかに押さえつけられているようだ。
「…無理に思い出さなくても大丈夫だよ。」
『知らなくちゃ、いけない気がするの。』
祖母が亡くなる前から、時折感じていた。
明らかに私の祖母や父によって胸に開けられた穴ではない穴があった。
何か大切なことを忘れているような感覚が…ずっと昔から…
「美影、どうして、泣いてるの?」
『…え?』
「……今日はゆっくり眠って…」
エルが私の頬へ口付けると、途端に眠気が襲った。
『エル…』
「大丈夫、僕が美影を守るよ。」
次第に意識が遠ざかる。
また私は闇の世界へと飲み込まれた。
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『んっ』
ーミャア
目を開けるとそこは私の部屋だった。
あの後、気絶してしまったのか…
「美影」
『エル…ごめんね、待たせちゃって。』
「待つことには慣れてるから。」
エルは人の姿となって私の頬を包んだ。
「…奴らになにかされた?」
『奴らって……ううん、何もされてない。』
寧ろ何かをしたのは私の方だ。
今まで感情的になってもあんなに周りのものが浮いたりするなんてことは無かった。
まだ元気だった幼い時も、そんなことは一度もなかった。
もし私が魔女なら…母は魔女だったのだろうか。
父や父方の祖母は全くそのようなことは感じなかった。
血の繋がりがあるとすればきっと、母の方の血だろう。
あまりにも母との記憶が無いせいか全く思い当たる節がない。
……母方の祖母は?
そうだ、私には“あの人”がいる。
思い出そうとすると頭に鈍い痛みが走った。
まるでなにかに押さえつけられているようだ。
「…無理に思い出さなくても大丈夫だよ。」
『知らなくちゃ、いけない気がするの。』
祖母が亡くなる前から、時折感じていた。
明らかに私の祖母や父によって胸に開けられた穴ではない穴があった。
何か大切なことを忘れているような感覚が…ずっと昔から…
「美影、どうして、泣いてるの?」
『…え?』
「……今日はゆっくり眠って…」
エルが私の頬へ口付けると、途端に眠気が襲った。
『エル…』
「大丈夫、僕が美影を守るよ。」
次第に意識が遠ざかる。
また私は闇の世界へと飲み込まれた。