天使と悪魔の子
「美影ええ!!」
朝の気怠さは一切感じさせないほどの元気な声が聞こえた。
名前を呼ばれてる。
そう気付くのに時間がかかるのは重症なのかもしれない。
『日和お、おはよう。』
「いやぁ朝から私の天使は可愛いですなぁ。」
「…気持ち悪いぞお前。」
架の鋭いツッコミをものともせずに夕紀を見て心底驚いたようで
「へぇふたり仲良くなったんじゃん!ん?さては夕紀美影のこと?」
「くだらねぇ事言ってねぇでさっさと行くぞ。」
夕紀くんは面倒臭そうに眉を寄せた。
でもどこか顔が優しい。
私にもいつか心を許せる友ができる日が来るのだろうか。
もし死んだら、誰かが悲しむことがあるのだろうか。
それならとても恵まれてることだと思うんだ。