天使と悪魔の子
『宙っっ』
「何を言い出すかと思えば…あいつの名前か。」
届いて…
「…面白くないな。」
ーゴクッゴクッ
『なにすんっ…』
「黙れ」
口を塞がれて声が出なかった。
これじゃあ本当に、意識がぶっ飛びそう。
宙…そらっっ
ーガッッ ドオオオオオ
突如扉が吹き飛ぶと同時に光がさした。
その光は私を包み込んで痛みから解放してくれる。
「キッキッキッキャ、!!?」
「まさか、ソンナ…」
ザヘル達は驚き逃げ惑い元きた所へ一目散に戻っていく。
あぁ、来てくれた。
彼の名前を呼びたい。
そう思うのに、体がいうことを聞いてくれない。
「お前ッッッ!!!」
宙の唸り声が部屋に響いた。
それは今まで聞いたことがないくらい悲痛な叫び。
脳に直接響いて叫んでる。
彼が愛しいと、叫んでいる。
この時私は、“愛しい”の意味がわかった気がした。