天使と悪魔の子

「ふぅー遊んだねぇ」

夕食も終え、大量のお菓子も男性陣によりすっかり尽きてもう日も落ちた。

あっという間にすぎていく時間に驚きながら、様々な初めてを体験した。

ーパーンッ

突如、架と日和がクラッカーを盛大に鳴らす。

物理的な刺激で驚いた私はしばらく思考停止に陥った。

「「夕紀、誕生日おめでとう!そんでもって、宙の転入祝いにーとっておきのケーキをご用意させていただきました!」」

若干のズレはあるもののふたりがケーキを持ってくる。

双子ちゃんも大興奮の展開だ。

夕紀くんは明日が誕生日らしく前々から準備していたのは知っていた。

『おめでとう』

「あぁ」

こうして誕生日が祝われるのが当然のことなのかと憂いてみるも、どうにもならない。

「ありがとう」

まるで初めてプレゼントを貰った子供のように宙も喜んでいた。

宙、彼も私と似ていたのだ。

そう思うと、ひとりじゃないのだと、最低なことなのに感じてしまった。

嬉しいと、思ってしまったんだ。
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