天使と悪魔の子
_____________________
___________
__________

ーキーンコーンカーンコーン

始業のベルが鳴る。

私は一人、ボーッと自分の席で外を眺め
昔のことを思い出していた。

「はーいちゅうもーく」

先生が陽気にジャージをパタつかせながら教卓を叩いた。

今は冬なのに、彼はとても暑そうだ。

此処は県内屈指の不良校

ー城西高校ー
JOSEI

学力的には進学校を目指せたのだが、

バイトに行けないし放課後が短くなることから、家から五分のこの高校へ通っている。

案の定、成績はいつもトップで誰かに抜かれる恐怖も無かった。

まぁ、補足を言うと
不良校だからか、女子も人数が少ない。
9クラス中クラスに十人程度で、みんな化粧臭かった。

そして、そんな城西に今日転校生が来た。

「んじゃ、入れー。」

ーガララララッ

「え、うそ、めっちゃかっこよくない?」

「私狙っちゃおうかな。」

確かに、彼は綺麗だった。

透き通るような茶髪に空色の目

傷一つない肌

「一条宙(ソラ)です。
よろしくおねがいします。」

汚れのない宙の目は、見るのが苦しかった。

自分の汚さが分かってしまう

読まれてしまう

だから、私は彼を見るのをやめて外を見た。

< 7 / 262 >

この作品をシェア

pagetop