天使と悪魔の子
「それじゃあ、
一条、逢沢の隣に座ってくれ。」
「はい。」
逢沢…
私、確か、逢沢だったよね。
ピタリと私の隣に止まってそのまま席につくのが横目で確認できた。
そして、何かを話したそうに視線を向けられる。
その視線も痛くて、可哀想だと思われているようで。
それから逃れるようにずっと外を見ていた。
「あの、よろしくね。」
『…』
私って熟、やなやつだよね。
無視しちゃうなんて最低だ。
外を見るのも飽きて机に顔を伏せる。
こうして眠っておけば彼と話さなくてもいい。
ゆっくりと目を閉じれば、私は夢の中へすんなり落ちていった。