天使と悪魔の子
ーガラッ
窓を閉める音で目が覚めた。
外を見れば、日が沈みかけている。
教室にも生徒はいない。
バイトが…
急いで机のとなりにかけてあるスクバを肩にかけて立ち上がる。
あれ、でも、窓が今閉じたよね…。
恐る恐る振り返った。
『ひぁっ!!』
「わっ!?」
後ろには宙が立っていて、思わず机の脚に躓いて後ろに倒れそうになる。
『っ!』
強く目を瞑って痛みを待つ、しかし、なかなか痛みは来ない。
『宙、くん。』
目を開けると宙が私の下にいて庇ってくれていた。
でも、可笑しいよね。
さっきまで前に居たのに、どうして後ろに回り込めたの?
それに、さっき窓が閉まる音がしたのは前の方からだった。
それなのに宙くんは私の後ろで外を見ていた。
「大丈夫?」
『う、うん。ありがとう。』
無性に怖くなって立ち上がった。
スクバを持ち直して教室の扉へ向かう。
「あの、逢沢さん!」
『じ、じゃあね』
急ぎ足で教室を出る。
振り返るのも怖くて、転びそうになりながら階段を下った。
なんで
なんで
なんで
宙くん、目が赤かったの。