彼女の呪い
第1章 彼女の呪い
彼女はおとぎ話に出てくるお姫様のようであった。長く艶やかな黒髪、薔薇のように赤い唇、雪のように白い肌。全てが彼女を飾っていた。そこだけが別の空間のように彼女がいる場所は輝いていた。だからこそ妬まれることも多かった。彼女が悩んでいても私はそれを見て見ぬふりをした。彼女は悩んでいた。なぜ妬まれるのか、みんなと仲良くするにはどうしたらいいのか。私はこの優等生ぶった思考が大嫌いだった。自分が持ってないを他人が持っている、それはとても羨ましく妬ましいものだったのだ。私は彼女が大嫌いだった。それでも彼女は私を信じていた。ある日彼女がいじめられている現場に遭遇した。私は逃げた。彼女のことは嫌いだったしどうでもよかったからだ。その日から彼女はだんだんと暗くなっていった。美しかった黒髪は短く切られ、艶がなくなった。雪のように白かった肌は、赤黒い痣が目立つようになった。そしてある日彼女に言われた。
「ねぇ、貴方は私の友達だよね?」
息が詰まった。正直彼女のことを友達だとは思っていなかった。しかし、変わってしまった彼女が痛々しく、暗い瞳の中にある狂気が恐ろしかったのだ。私は一言「うん」と答えた。彼女は次の日死んだ。彼女が死んでも誰1人として日常は変わらなかった。しかし、私の心の中は彼女が支配していた。あの日の言葉が忘れられず、まるで呪いのように私を縛っていた。彼女の変わってしまった姿と狂気が忘れられなかったのだ。そして、今日は彼女の命日。私は屋上に立っている。風が心地よく、空を飛んでいるように感じた。私は靴を脱ぐ。床の冷たさ、身を縛る緊張、騒音。全てが彼女の感じたものだったのかと思うとうんざりする。そして、床を蹴りあげる。最後に見えたのは綺麗な青空だった。
やっぱり、私は彼女が大嫌いだ。
「ねぇ、貴方は私の友達だよね?」
息が詰まった。正直彼女のことを友達だとは思っていなかった。しかし、変わってしまった彼女が痛々しく、暗い瞳の中にある狂気が恐ろしかったのだ。私は一言「うん」と答えた。彼女は次の日死んだ。彼女が死んでも誰1人として日常は変わらなかった。しかし、私の心の中は彼女が支配していた。あの日の言葉が忘れられず、まるで呪いのように私を縛っていた。彼女の変わってしまった姿と狂気が忘れられなかったのだ。そして、今日は彼女の命日。私は屋上に立っている。風が心地よく、空を飛んでいるように感じた。私は靴を脱ぐ。床の冷たさ、身を縛る緊張、騒音。全てが彼女の感じたものだったのかと思うとうんざりする。そして、床を蹴りあげる。最後に見えたのは綺麗な青空だった。
やっぱり、私は彼女が大嫌いだ。