彼女の呪い
第2章 私の呪い
私は世の中でいう美しいというものに当てはまるらしい。しかし、鏡の中の私は恐ろしく美しさとは程遠いものであった。そんな時彼女と出会った。彼女は私とは正反対であった。可愛らしいふわふわとした髪の毛、くりくりして大きな瞳、小さい背。私は彼女に惹かれた。彼女は私の中の美しいに変わった。ある日彼女は私を助けてくれた。その日から彼女は私の友達になった。私は嬉しかった。美しい彼女といられて。しかし彼女は私のことが嫌いらしかった。それは妬みというやつだ。私を美しいと思ってくれている。それが私にはとてつもなく嬉しかったのだ。しかし、妬みは私を大きく変えた。妬みは私の美しさを奪った。髪を切られ、痣を作られた。そして彼女は私から離れた。彼女は私を見るのが嫌だったらしい。そう、美しくない私なんて私じゃない。彼女の隣に相応しくない。美しく、美しく無くては。私は彼女に離れて欲しくなかった。彼女は私の友達だから。私は彼女に聞いた。
「ねぇ、貴方は私の友達だよね?」
彼女は少し言葉に詰まったが、静かに「うん」と一言だけ呟いた。
嬉しかった。彼女はやはり私の友達だった。時を止めてしまいたい。このまま彼女を離したくない。彼女と私の時間を止めるため、私は屋上に立っている。風が心地よく、青空の中にいるかのように私の心は清々しかった。私はゆっくり靴を脱ぐ。床の冷たさが心地いい。さぁ、彼女が私のことを忘れないように。彼女と私は友達だった。呪いのようにとどまって欲しいと思った。

私は彼女を愛していた。
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