どうして君を好きになったんだろう
「ちょっと、不良に絡まれて。」


「えっ!?それって近くの不良校の人?」


「うん。でも、高いところにあった本を取ってくれたんだけど、その後遊びに行こーって言われて。周りからこそこそ言われたから逃げてきちゃった。」


「そっかー。でも、ちょっと怖いよね。」


帰り道、瑚春が考えるようにして話す。


「見た目だってチャラそうだし。なんかいいことしてもらっても周りからの評判みたいなのがあるから素直に喜べないっていうか。・・・・・近寄りがたい感じするな。」


「確かにね。まぁ、もう会うことはないからいいでしょ。それよりあの本買えなかったのが残念。」


「また買いに行こうよ。ね?」


「うん。明後日もう1回行こー。」


「いいよ。今度は私が怜香の買い物に付き合ってあげようじゃないか。」


ちょっと偉そうに言う瑚春。


「ありがとう。」


そう言うと私はさっきのことを思い出していた。


同じ高校生でも、全然違うタイプだな。


ちょっとだけ羨ましく思うけどね。


自分のやりたいように毎日生きてる人って感じで。
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