どうして君を好きになったんだろう
そう言うと2人はこくこく頷いた。


「実は・・・・・・消防士になりたいんだ。」


「消防士?・・・・・・どうして?」


あっ、怜香瑚春に言ってなかったんだ。


気使ってくれたのかな。


俺は瑚春に両親を亡くした火事のことを話した。


遼は知っているから、黙って聞いていた。


「それで、消防士?」


「うん。・・・・・やっぱりさ、家族守れなかったのが1番の後悔なんだよ。でも、それは今思っても無理だ。・・・・・だから、自分が消防士になって、俺みたいな思いをしないように救ってやりたい。それが、俺に出来ることかなって。・・・・別に、嫌々やるわけじゃない。俺がそうしたいって思ったんだ。怜香のおかげで。」



そう、俺が変わるきっかけは全部怜香がくれた。


知らない自分に気づかせてくれる。


大丈夫だって言ってくれる君。


怜香が愛しい。


瑚春と遼は顔を見合わせて言った。

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