どうして君を好きになったんだろう
どうせみんな自分の利益のためなら人なんて簡単に裏切るんだ。


暗い気持ちになるのを振り切るように俺は頬を手で叩いた。


「つーかさ、俺ささっきの女の子に本取ってやったのに、最後やめてくださいって怒られたんだぜ。酷くね?」


「それは進学校のいい子ちゃんだし、見た目だろ?仕方ねぇーよ。」


「まーなー。でも、名前聞いちゃったんだよねー。また会えるかな?」


「えっ!?名前聞いたの?お前本当にそういうのは早いよなー。」


そう言って笑う遼。


「また会えっかなー。なんてな。」


「期待しないで待ってなよ。璻君。」


「お前こないだ振られたからって八つ当たりすんなよ。」


「なっ!?いつもお前ばっかりモテてんじゃん!?たまに腹立つわ!!」


遼がギャーギャー騒ぎ出した。


「はいはい。あっ、今日泊まっていい?」


「はいはいじゃねーよ!!まぁ、いいけどさ。」



< 14 / 202 >

この作品をシェア

pagetop