どうして君を好きになったんだろう
私がそう言うと璻が急に黙ってしまった。


「璻?どうしたの?」


「・・・・・そんなことで感動してくれるなんて思わなかった。・・・・・・怜香といるとちょっとした事でも嬉しくなる。」


「私も。あっ、電車来たみたい。一回電話切るね。」


「おぅ。じゃあな。」


電話を切って電車に乗る。


空いている席に座ると、スマホが鳴った。


[電話出来て良かった。ありがとな。]


私は嬉しくなってスマホを握りしめた。


前よりも素直に自分の気持ちを表してくれるのが嬉しい。


だから、私はどんどん好きになっていくんだ。


電車から降りて駅を出ると後ろから名前を呼ばれた。


「怜香!!」


「えっ、あっ、お母さん!!」


私はお母さんに勢いよく抱きついた。


「ど、どうしたの?・・・・・もしかして、今日出来が悪かったとか?」


「違うよ。お母さんの顔みたらちょっと安心しただけ。それと、自信はすごいあるから大丈夫。」


私がそう言うとお母さんが笑った。


「その自信なら大丈夫ね。あっ、今日は怜香の好きなシチューだよ。」
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