どうして君を好きになったんだろう
「怜香おかえり。なんで2人一緒なの?」


「駅でたまたま会って。あっ、今日シチューなんだって!!」


「そうか。良かったな。怜香。シチュー好きだろ?」


そう言いながらお母さんの荷物をお父さんが持った。


「えっ、お父さん知ってたの?」


「そりゃ娘の大好物くらい知ってるよ。昔から遊びに行くと、メニュー見てシチュー探してただろ?」


確かにそうだったかも。


お父さんが覚えててくれたなんて思わなくて驚いたけど、嬉しい。


「じゃあ、帰りましょ。」


お母さんがそう言うと、お父さんが私に手を出してきた。


「俺だけ仲間外れか?それは酷くない?」


ちょっと拗ねたように言うお父さん。


「「あはははははっ!」」


私とお母さんは笑ってしまった。


「お父さん、ごめんね?はい。」


そう言って手を出して握る。


久しぶりに繋いだお父さんの手は大きくてゴツゴツしていた。

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