どうして君を好きになったんだろう

「この度はこのような素敵な式を準備していただき、ありがとうございます。この式に携わってくれた方々に御礼申し上げます。さて、本日私達は卒業します。」


喋り慣れてきて、段々緊張しなくなってきた。


「私がこの3年間で学んだことは私を変えてくれるきっかけになりました。その中でも、ある人がくれた言葉や優しさが私を救ってくれました。」


私はチラッと瑚春のことを見ると、口パクで頑張れと言ってくれた。


「その人は私に家族の大切さ、友達がいる事の幸せを教えてくれました。今、私の隣に家族がいるのは当然ではないこと。友達が隣で笑ってくれるというのはかけがえの無いもの。そう、教えてくれました。・・・・・実を言えば、私は心から信頼出来る友達がいませんでした。特別、家族と仲がいいわけでもありませんでした。本当の自分を見せないで過ごしていたことがあります。卒業生のみんなの中にもそういう人がいると思います。」