どうして君を好きになったんだろう
次の日からは忙しくて、あっという間に時間が過ぎていった。


引っ越し業者に頼んだり、手伝ったり、色んな手続きに追われた。


璻からは何の返信も無かった。


でも、そんなの考える暇もないくらい忙しかった。


逆に気にしなくて良かったけど。


私は忙しい合間を縫ってお母さんとお父さんにプレゼントを作っていた。


それはお揃いのミサンガ。


ミサンガは遼君に作り方を教えてもらった。


私が瑚春とのデートプランをアドバイスした時に。


そのお礼にって教えてもらったけど、こんな所で役に立つなんて。


このミサンガは引越し当日に渡すつもり。


私の机の上にはもう一つのミサンガ。


璻に作ったもの。


もう、渡せないけど。


私はそのミサンガをリュックの中に入れた。


私は明日、この家から離れる。


たくさんの思い出と一緒に。




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