どうして君を好きになったんだろう
「ふっ、あはははっ!本当に怜香らしいね。・・・・・・・うん。約束するよ。ずっと、怜香だけを見てるって。」


「・・・・・・・付き合う。璻、よろしくね。」


やっと怜香が笑ってくれた。


俺は怜香のことを抱きしめた。


「・・・・・・気持ちが通じるってあったかいね。」


「そうだな。・・・・・・あったかいな。」


そのまま抱き合ったままでいると、遠くから電車の音がする。


「「電車!!」」


「やばいよ!!どうしよう!!今日行かないと、引っ越し業者の人に会えなくなる。今日、取引最後なのに!!」


「俺も。やばいな。・・・・とりあえず行くぞ!」


俺は怜香の手を握って走り出した。


もう苦しくない。


怜香がいるから。


駅に着くとちょうど電車が来ていた。


「怜香!スーツケース!!」


「ありがとう!!璻も!!」


慌てて電車に乗り込む。


怜香のスーツケースと自分のを置いて席に座る。


「あれ?璻もこっちの電車でいいの?」


怜香が俺の前に座って向かい合わせになる。


「あぁ。こっちだよ。後で俺の住所送るから。・・・・・・そんな心配そうな顔すんな。だってもう、離れないだろ?」


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