どうして君を好きになったんだろう
バス停で別れて、私はバスに乗る。


璻君、いや、璻はバスが発車するまで見送ってくれた。


不良のくせに変なところ優しいんだな。


悪いところばかりじゃないんだって思った。


私はスマホを開いて璻と書かれたところを押す。


一応挨拶しといた方がいいよね。


[さっきはありがとう。一応、最初だから送ってみました。]


送信するとすぐに返事が帰ってきた。


[おう。またなんかあったら言えよ。]


短くて、男の子って感じの返事。


いつも男の子に連絡することなんてないから新鮮な感じだった。


20分くらいして家の近くのバス停に止まる。


マンションのエレベーターに乗って扉を開ける。


「ただいま。」


「あっ、怜香?こんな時間までどこ行ってたの!?もう10時近いのよ!!心配掛けさせないでちょーだい!!」


お母さんが玄関の前で怒鳴る。


「ごめんなさい。ちょっと先生と話していて。」

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